単品通販とは? メリット・デメリットと成功の鍵を解説

単品通販とは、1つの商品・ジャンルに限定して販売する手法や特定のブランドの商品を複数販売するビジネス形態のことを指します。扱う商品やブランドを限定するため、参入障壁が低くリピーター獲得に有利であり、今後も成長する可能性をもつビジネスモデルです。

本記事では、単品通販の特徴やメリット・デメリット、成功の鍵をご紹介します。

目次

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単品通販とは

単品通販とは、1つの商品・ジャンルに限定して販売する手法や特定のブランドの商品を複数販売するビジネス形態のことです。たとえば、健康サプリメントの販売や、同一の化粧品ブランドの化粧水・乳液、化粧下地の販売も単品通販に含まれます。

単品通販の特徴

単品通販では主に、定期購入(サブスクリプション)の仕組みが取り入れられており、商品を長期的に使用してもらえるようなビジネスモデルが主流です。
一度契約すると一定期間継続購入が約束されるため、毎月の収益が計算しやすく、リピーターとの関係性も築きやすいことが特徴です。
また、定期購入に「クロスセル」や「アップセル」を掛け合わせている場合も多いです。

 

ほかにも単品通販では、1つの商品を取り扱うことが多いことから、製造者がオリジナル商品を直接消費者に販売する「D2C(Direct to Consumer)」のビジネスモデルを取ることがほとんどです。
そのため、単品通販は、D2Cと言われることが多いのも特徴です。

 

また、単品通販とよく比較される通販手法として、総合通販があります。以下では、単品通販と総合通販の違いを解説します。

単品通販と総合通販の違いは?

ECサイトの販売手法は単品通販と総合通販の2種類があります。

 

総合通販とは、多岐にわたるジャンルの商品を販売する手法です。顧客はECサイト・ショップの中から、自分の求めている商品を探し、購入するモデルとなっています。
総合通販は扱う商品の種類の多さから、初期投資が大きくなりますが、単品通販は扱う商品が絞られるため、小資本で始めることが可能です。

 

単品通販とは真逆の手法であり、両者を比べると以下のような違いがあります。

 

先述した通り、単品通販は定期購入を主なビジネスモデルとしており、定期的に購入してもらいやすい消耗品を取り扱うことが多いです。
そのため、化粧品や健康食品、サプリメントなどが単品通販に向いている商材として挙げられます。

 

総合通販にはない特徴を持つ単品通販ですが、それらを活かすことで大きな成果を上げることができます。では、単品通販を行うことで具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。次章では、4つのメリットをご紹介します。

単品通販の4つのメリット

メリット1:高いリピート率が期待できる

総合通販ではあらゆるジャンルの商品を数多く取りそろえていますが、単品通販で取り扱う商品やジャンルは限定的です。商品やジャンルが限定されることで、ターゲットとなる顧客の年齢層や性別なども絞られ、ピンポイントでの訴求が可能となります。

 

また、単品通販で取り扱われる化粧品や健康食品は、ある程度の期間使い続けることが前提であり、効果が出れば再び同じ商品を購入する可能性が高いと言えます。そのため、定期購入を取り入れている場合、ほぼ自動的にリピート顧客を囲い込むことが可能です。
このように、単品通販はピンポイントでの訴求ができ、顧客を継続的な購入へとつなげやすいメリットがあります。

 

実際に、ナチュラルミネラルウォーターの単品通販を行っている株式会社Qvou(キューボー)様は、通販カタログ「ことせ」のチラシ同送などシニア層へピンポイントに訴求を行い、500mlのボトルが1本あたり200円近い商品でありながらも、定期購入250件を超えるリピーターの獲得に成功しています。

 

以下リンクでは、株式会社Qvou(キューボー)様のような事例をいくつかご紹介しています。あわせてご覧ください。


メリット2:販売の促進・アピールができる

前述の通り、単品通販は商品数が限定的であるため、商品説明に比較的多くのボリュームを割ける点が特徴です。各商品の魅力やオリジナル性、こだわりなど、より具体的な情報やアピールポイントを顧客に伝えることができ、販売促進につなげられます。

また、ジャンルを絞れるためターゲットとなる顧客層にピンポイントで商品をPRでき、広告宣伝に関する費用対効果が高い点もメリットです。

メリット3:収益の見立てが容易

少数の商品を販売し、新規顧客よりもリピーターの購入を主とする単品通販は、収益の見積もりが比較的容易な点もメリットです。たとえば、主なビジネスモデルである定期購入であれば、定期購入者の人数と月額料金から簡単に収益を計算できます。

 

また、収益の見立ての際にはLTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)を把握しておくことも重要です。
これは顧客が商品・サービスの購入を始めてから終わるまでの期間に得られる利益を指します。
LTVを把握することで自社の商品・ブランドの金銭的価値を確認し、確実な収益の見立てが行えます。

 

LTVに関しては以下記事で詳しく説明しています。ぜひご覧ください。


 

単品通販には以上のようなメリットがある一方で、デメリットもあります。
以下では単品通販のデメリットについて見ていきます。

単品通販の2つのデメリット

単品通販のデメリットは、大きく分けて2つあります。

デメリット1:ターゲットが限定的

単品通販では、商品やジャンルが限定でき、ピンポイントで訴求できるというメリットがあると同時に、アプローチできるターゲット層が限定されるというデメリットが発生します。

 

単品通販で取り扱われる商品の種類はごく少数であり、中でも健康食品や化粧品は顧客となる層(年齢・性別など)が絞られてしまいます。
ターゲットを正確に把握・設定し、そのターゲット層の目に留まる適切なアプローチを確立できないと、認知度が上がらずファン化促進もできないため、売上を伸ばすことは難しくなります。

デメリット2:ハイリスクなビジネスモデル

もう1つは、単品通販はビジネスモデルとしてハイリスクである点です。
前述の通り、ブランドや商品のオリジナリティを発信しつつ、ターゲットを的確に把握できなければ、売上の伸びは期待できません。商品数が少ない単品通販において「単品」の売上が伸びないことは、ビジネスそのものが不調であると言えます。

 

総合通販のように、ある商品の売上不振を別の商品でカバーする、といったリスクヘッジができず、ごく少数の商品の売上に事業の成長が左右されるため、リスクが高いということです。
そのため、事前のターゲット分析や市場調査など、慎重な経営が求められます。

 

では、単品通販を成功させるためにはどのようにマーケティングを行っていくべきでしょうか。
ご紹介したデメリットを踏まえて、単品通販のマーケティングを成功に導くための鍵を解説します。

単品通販マーケティング成功の鍵とは

ポイント1:ターゲット層の見極めを行う

単品通販を成功させるためには、まずリピーターになると期待できるターゲット層の見極め・分析を適切に行うことが必要不可欠です。
先述した通り、単品通販はターゲットを限定するからこそ、年齢や家族構成、性格、悩みなどターゲットのペルソナ設定を明確に定めて、ピンポイントで訴求を行うことが大事です。

 

たとえば、シニアマーケティングを行っている場合、ターゲットを「シニア」と定めるのでは広すぎます。シニアといっても、60歳~100歳まで幅広く40歳もの差があることや、仕事・趣味に意欲的といった特徴を持つアクティブシニアをはじめとしたさまざまなシニアが存在します。

 

まずは、ターゲットのニーズやインサイト、趣味嗜好などを理解したうえで、狙うターゲットを絞り込みペルソナ設定を行うことが必要になります。

 

シニアマーケティングを行っている企業様は、以下記事を参考にシニアのニーズ把握・ペルソナ設計をしてみてください。



ポイント2:お試しで初回の購入ハードルを下げる

新規顧客獲得のきっかけを作るためには、お試しサイズを安く購入できたり、サンプルを別の商品に同梱してお試しいただいたりすることで顧客の購入ハードルを下げることが重要になります。
特に、化粧品・美容品や健康食品は合う・合わないの個人差があるため、自社商品の良さを知ってもらうことで、顧客獲得に寄与できます。

 

また、新しい商品を買う前に試したいと考える顧客も多くいらっしゃいます。
特に、シニアにマーケティングを行っている場合、シニアは購入に慎重な方も多く、「無駄遣いはしたくない」「自分が実際に手に取って選んだ、信頼できる商品だけを買いたい」という方もいらっしゃるため、お試しは有効的です。

 

実際に、化粧品通販企業様が試供品サンプル・チラシの同梱を行い、購入のハードルを下げたことで、リピート顧客を多く獲得できた成功事例もございます。
具体的な内容は以下記事でご紹介していますので、ご興味のある方はあわせてご覧ください。


ポイント3:適切なタイミングで定期的なコミュニケーションを取る

単品通販で売上向上を狙う場合、定期購入をしてくれる顧客が必要不可欠です。
購入はしてくれたものの継続的な購入に至らない場合は、適切なタイミングで顧客が求めている情報を提供し、定期的なコミュニケーションを図ることが重要です。

 

主に商品への満足度は、期待値と理解度で成立するのですが、商品に対する期待値は購入時点が最も高く、時間経過とともに下がる傾向にあります。
そのため、「購入後の期待値を下げずに商品の理解度を上げること」がリピート購入の鍵を握ります。

 

具体的には、購入時点で商品の使用方法を説明したり、購入後にメルマガやLINE等のSNSを使い定期的かつ長期的に顧客とコミュニケーションを取る方法があります。
顧客と継続的に良好な関係性を構築するための具体的な方法は以下記事でご紹介していますので、あわせてご覧ください。


ポイント4:アップセル・クロスセルの施策を行う

単品通販の売上向上を実現するためには、アップセル・クロスセルの施策が必要不可欠です。
定期購入のリピーターに対し、関連する別の商品やグレードアップしたサービスを紹介・推奨することで、リピーターの満足度を向上できます。満足度が上がれば、ブランドへの信頼感が高まり、さらなる購入を促進。結果として客単価が上がり、売上増加が見込めます。

 

ただし、商品・サービスを押し売りしてしまうと顧客がマイナスなイメージを持ってしまうため、顧客のメリットを提示しながら商品を提供するように工夫しましょう。

ポイント5:LP制作を工夫する

LP(ランディングページ)とは、サイトに訪れた人が一番初めに見るページのことを指しますが、
単品通販では、LP制作の工夫が必要です。サイトに訪れる方に商品購入などのアクションを起こしてもらうためには、LPから直接商品を購入できるようにしたり、ファーストビューでターゲットが欲しい情報を簡潔に伝えたりすると良いでしょう。
情報過多や雑多な印象を与えてしまうと、購買意欲が下がり離脱される恐れがあります。

 

また、制作時は商品・サービスを「どのような順番・レイアウト・テキスト・画像添付で紹介すれば、ターゲットにアクションを起こしてもらえるか」を考えて展開すると、より説得しやすいです。

 

LP制作のポイントについては下記記事でご紹介しています。
特にシニア向けLP制作にお悩みがある方は参考にご覧ください。


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この記事の監修者プロフィール

シニアマーケティングLAB事務局

シニアマーケティングLAB事務局

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