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2021シニアトレンド&2022シニアトレンド予測を発表。“2021年のシニア”を総ざらい!

シニアトレンドを発表する生きかた上手研究所所長・梅津
生きかた上手研究所では、今年のシニア世代の動向を振り返り、2021年のシニアトレンドを発表いたしました。今、シニア世代はどういったモノに関心があるのか、どういった価値観を重視するのか、これからどのように過ごしたいと考えているのか。若者世代とは異なるリアルなシニア世代の今を明らかにするとともに、今後のシニア消費のキーワードとなる2022年のシニアトレンドを予測いたしました!

推し活やSDGsもシニア世代は一味違う?
2021年シニアトレンド

株式会社ハルメクホールディングスの「生きかた上手研究所」は、日々シニアの調査・分析を行い、シニアならではのインサイトを発掘しています。2021年、長期に及ぶコロナ禍を経て、シニア世代の考え方や行動にも大きな変化がありました。以下に、2021年に起こった8つのシニアトレンドをご紹介します。

1.「“親目線”推し活」

若い世代の「推し活」といえば、アイドルや俳優、アニメキャラなどを対象にSNSで声援を送っています。一方シニアはというと、SNSではなく「TVに向かって」声援を送るのが特徴です。声援を送る相手も今年活躍した次世代アスリートや、リーダーシップのある若い知事など、娘・息子のような若い世代。活躍を見守り育てる、今後の活躍を願うという、親のような目線で若い世代を応援するマインドが高まりました。

2.「スマートシニア元年」

生きかた上手研究所で2011年より毎年実施している、デジタル調査。そのなかで今年初めて、シニア女性のスマホ保有率が9割を超えました

コロナ禍前までは、スマートフォンを所有していても、使える機能は電話・LINE・写真撮影だけというシニアが多く、デジタルの積極的な活用はされていませんでした。特に買い物に関しては、デジタル活用を渋る傾向があり、「通販は電話・FAXでの購入が慣れている」ということで、スマホ決済も不安がっていました。つまり、スマホ所有がデジタルでの消費行動と結びつかないというのがこれまでのシニアの実態でしたが、コロナ禍で一変。感染リスク低減のためという強い動機づけによって、情報取得や買い物などのこれまでシニアが苦手としてきた領域に変化が起こりました。コロナ禍でデジタルシフトが加速したのです。また、リアルな交流が制限されたため、受け身ではなく自ら情報を取りにいく、という姿勢の変化もみられました。

「スマホ決済やワクチン接種の予約など、ネットを使えないことで損をしたくない」と、苦労しながらもなんとかデジタル活用を習得していくシニアが増えているようです。シニア世代にとってデジタルは、未知の体験のため漠然とした不安が大きな壁ですが、その最初の一歩を乗り越えることで目に見えない漠然とした不安が消えました。この世代は、利便性に一度納得すると、使い続けるという特徴もあります。

3.「華やかマスク」

華やかマスクモデル着用
顔を華やかに見せたいシニア女性にとって、マスクは手軽に個性が演出でき、顔を明るくみせら
れるメイクアイテムです。若い世代がマスク生活で眉や目元のメイクなど顔の上半分に凝るのとは対象的に、シニア世代は顔の下半分に凝りました。

マスクは感染症対策のためだけではなく、手作りマスクや、個性豊かなマスクによってコロナ禍をポジティブに過ごすアイテムに変化。昨年の調査では「呼吸が苦しくて、コロナが終わったら早く外したい」と言っていたが、「マスクは口もとのしわやほうれい線、たるみが隠せてむしろ都合が良い」と、前向きに捉えるようになりました。色柄が華やかなもの、レース仕立てのマスクも人気のようです。

4.「本気いたわりグッズ」

シニアの慢性的なカラダの疲れをいたわる「本気いたわりグッズ」
シニアの慢性的なカラダの疲れをいたわる「本気いたわりグッズ」
コロナ禍2年目に入り、シニア世代はメンタルよりも慢性的なカラダの疲れが深刻な悩みになりました。ハルメクで行っている通販では、おうちで疲れをとりながら快適にカラダをいたわる衣料品や寝具がヒット。「室内用のルームサンダル」「ラクに着られるリカバリールームウエア」「身体の寝ぐせを考えた敷き布団・抱き枕」等、良質な疲れ取りグッズが好調でした。

5.「“おさぼり上手”料理」

雑誌「ハルメク」では“おさぼり上手”料理提案がヒット
雑誌「ハルメク」では“おさぼり上手”料理提案がヒット
雑誌「ハルメク」では、「おさぼり上手」「なぁんにもしたくない夏」などの料理提案がヒット。一汁三菜ではなく、一汁一菜で十分に栄養が摂れる「たんぱく質が手軽にしっかりとれる一汁一菜レシピ」や、一食でバランス良い食事ができる「あんかけの具」(冷凍食品)など、手間をかけなくてもおいしくヘルシーな料理の提案が受けました。

これまでは「手抜きは後ろめたい」と、冷凍食品には懐疑的なシニアが多くいらっしゃいましたが、“手抜き”とは違う“手間抜き”で、冷凍食品でも賢く使えるというマインドが醸成されたようです。これらの新習慣が受け入れられたのは、外食できない、また食事を作り続けて疲れたという背景があったとみています。

6.「カジュアル終活」

遊びながら死を語らう「死生観光トランプ」
オンラインワークショップ「デスカフェ」で使われている「死生観光トランプ」
自宅療養、終末期、看取りなどの話題が身近になった2021年。これまであまりオープンに語られなかった「死」についてカジュアルに語る「デスカフェ」というオンラインワークショップが話題でした。「死生観光トランプ」等のツールを使いながら「死」を語らう場も登場。死を身近に考える機会が増えたことを「カジュアル終活」と命名しました。また、ハルメクで長年お世話になった瀬戸内寂聴さんが99歳で生涯を閉じました。家族や友人との行き違い、年齢を重ねると出てくる体の不調、老後の不安など、人生後半に訪れる悩みにどう向き合えばいいのか、生きるヒントをたくさん届けてくださいました。愛と生という一貫したテーマを軽快で分かりやすく描かれてきたから、読者にずっと愛されてきました。ご冥福をお祈りいたします。

7.「古着でSDGs」

古着でSDGs 有料の衣類寄付キット「ハルメク 古着でワクチン」
衣類寄付キット「ハルメク 古着でワクチン」
“SDGs”と意識せずとも自然に取り組むシニア世代。「ただ捨てるだけではもったいない」と有料の衣類寄付キット「ハルメク 古着でワクチン」がヒットしました。衣類などの寄付が途上国のポリオワクチン接種の資金になる取り組みですが、100万人分のワクチン提供を突破。終活に向けて家の中を片付けたいニーズと、「誰かの役に立ちたい」という気持ちが、後押しとなっているようです。

8.「おうちで検診」

自宅で簡単にできる検査キット「おうちでドック」
自宅で簡単にできる検査キット「おうちでドック」
コロナ禍の2020年には、がん検診が3割減ったというデータがあります。外出自粛が続くなかで病院に行くことが難しくなり、「血液・尿検査」を自宅で簡単にできる郵送型検査キット「おうちでドック」などの自宅ヘルスケアサービスの利用が増加しています。

【参考】
≫2021年12月版【シニアアンケート・調査結果まとめ】 シニアの意識動向・生活動向

【2022年シニアトレンド予測】
注目キーワードは“シーズンフリー”や“貢献寿命”

1.どの世代よりもたまっている旅行欲!「リベンジ小旅行×シューズ」

旅行にも普段遣いにも使えて、元気に歩けるシューズの需要が高まる!?
旅行にも普段遣いにも使えて、元気に歩けるシューズの需要が高まる!?
元々お出かけ好きなシニア世代。大好きな旅行に行けない状況が続いていたため、一段落した今、お出かけにまつわる反動消費が起こるのは必須!といえます。それと同時にシニアにとって健康維持に重要なアイテムである「靴」の需要が高まるとみています。

シニア世代は、若い世代よりも靴がとても大事。なぜならば、外反母趾など足の悩みが多いからです。「一生自分の足で歩く」という思いが強く、靴にはお金をかける傾向があります。来年は、旅行へ行くのをきっかけに、靴を買い換える、新調するということが起こるのではないかと予測しています。

「小旅行」としたのは、地域や時期によってまだまだコロナ禍の状況が変化しているため、海外旅行などには行けないのではないかと予想してのことです。2022年は身近な国内旅行が増えるのではないかと考えています。

2.シニア女性のファッションもサステナ志向に「ポジティブカラー×シーズンフリー」

「イージーケアシンプルセーター」はソフトイエロー、ベビーブルー、ピンクのポジティブカラーが出だし好調
「イージーケアシンプルセーター」はソフトイエロー、ベビーブルー、ピンクのポジティブカラーが出だし好調
衣替えをしない“シーズンフリー”の流れはシニアだけでなく、世代を問わず流行しています。シニアにとっても「長持ちする」「使いまわせる」「応用できる」など、季節を気にせず着られる汎用性の高さはこれから重視されるポイントとなるでしょう。加えて、シニア女性は気持ちが明るくなるような“ポジティブカラー”が大好き。この掛け算によって、季節を超えた色の洋服が流行るとみています。兆しとして「イージーケアシンプルセーター」という明るくキレイな色の冬物商品を今月発売しましたが、「春まで着られる」「長持ちする」ことがハルメク読者に刺さり、初速がよいです。

3.世代特有のカラダニーズに応える「シニア×フェムテック」

女性の美姿勢を保つ座椅子
女性の美姿勢を保つ座椅子
女性特有の健康課題に挑むテクノロジーや性差医療の領域はますます活性化していくでしょう。生理痛を改善する器具や月経周期を予測するアプリなどフェムテックが話題です。
更年期後の女性のカラダの研究も進み、女性ホルモンに関する不調など世代特有のニーズに応える商品も増えると予測。日常生活で身に着ける服や何気なく使う家具も女性のカラダを研究して作られていけば、姿勢も整い、いつまでも美しさを保てます。テーブルやいすは耐久性や安全性には考慮されていますが、これからは女性の体にあった性差家具が出てくるでしょう。体幹サポートで美姿勢が保てる女性専用の座椅子などが作られており、今後注目されると予想しています。

4.ご褒美おやつにヘルシーさがプラス「プチ贅沢×プチおやつ」

シニア女性には「ひとくちで満足できる」おやつが来る?
シニア女性には「ひとくちで満足できる」おやつが来る?
コロナ禍で、シニア女性の間でもおやつや間食の喫食回数が増えています。ただし、若い女性とは若干流行の傾向が異なっています。かわいい見映えと食べ応えで若者の間で人気となった「マリトッツォ」。実はシニア女性には「重くてもたれる」「大きすぎる」というイメージがあるようです。シニア女性が求めているのは、ちょっと贅沢で、ご褒美感のあるおやつ。食べ過ぎると罪悪感につながるから量は少なめ、かつカラダに優しい美味しいおやつが欲しいというシニア女性のわがままニーズを叶える「ひと口で満足できるヘルシーおやつ」が来ると予測しています。

5.寿命も社会参加もセルフデザイン「健康寿命+貢献寿命」

人生時間も老化速度も自分でデザインする時代になりました。「健康寿命を延ばすことがwell-being(幸せ)につながる」ということは、これまでも言われてきました。
2022年以降は、well-beingなライフスタイルがさらに進化するという見立てです。シニア世代の強みである「経験・知識」「人脈」に今年躍進した「デジタル」がプラスされ、社会で活躍するシニアが増えるとみています。元気に過ごせる健康寿命だけでなく、誰かの役にたっていると感じられる「貢献寿命」を延ばしてこそ、幸せな人生設計の新たなカギになるのではないでしょうか。

シニア世代を見つめる専門家の見解

生きかた上手研究所所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
生きかた上手研究所所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
シニアのトレンドを発表するとお伝えした段階から、おそらくみなさんは、
「え?シニアがトレンドを創るなんて。流行は若者発祥で、シニアはそれに追随しているだけでは?」
「市場の読み解きやトレンド予測はZ世代の研究をするのが定石では?」
このように思われたのではないでしょうか。

一方、「日本の総人口の3割が65歳以上。占める割合はさらに増え続ける」という現状を無視できなくなっています。ここ数年、【終活】【グレイヘア】などシニア世代特有のココロやカラダの変化に応じた流行語が生まれました。現象が記号化されると、この世代の流行は一過性ではなく息が長く定着するという特徴があります。巷で流行っている現象を自分たちにあわせて派生させ、応用していることもあります。

シニア世代において2021年に起こった現象をトレンドとしてまとめること、また2022年の近未来予測を行うことは当社においても初の試みです。しかし、今後の日本のトレンドを踏まえる上で、シニア世代のトレンドを無視することはできないのではないかと思っています。
 ほぼ1年を“緊急事態宣言下”で過ごすこととなった2021年。国際的スポーツイベント、ワクチン接種、首相交代と様々な出来事がありました。今回挙げた【スマートシニア元年】【華やかマスク】は、社会変化の影響を大きく反映しています。【おうちで検診】【カジュアル終活】は、世代ならではのトピックを昇華させた現象。【“親目線”推し活】【古着でSDGs】は、起きている潮流をこの世代が派生させたカタチになります。

2022年も概ね上記3つのパターンにあてはまります。【リベンジ小旅行×シューズ】は社会変化への反動、【シニア×フェムテック】【健康寿命+貢献寿命】は世代の課題や変化を記号化、【ポジティブカラー×シーズンフリー】【プチ贅沢×プチおやつ】は若者で起こっている現象を派生させたものです。新しいトレンドがやってくるというより、2021の流れをくみながらゆっくりとブームが訪れるというイメージです。スピード感はありませんが、昇華・派生させながら持続型の市場やトレンドを形成していくのがシニア世代の特徴。わずかな誤差や変化を見逃さずに、これからもこの世代を見つめていきます。

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