コロナ禍で、シニアの医療・ヘルスケア周りの意識・行動はどう変わったか?

(株)ハルメク・エイジマーケティング 代表取締役の木船より、シニアマーケティングにまつわるお話をさせていただきます。今回は「コロナ禍で、シニアの医療・ヘルスケア周りの意識・行動はどう変わったか?」です。

元々、若い世代より病院に行く頻度が高いシニア層ですが、医療・製薬・ヘルスケア分野に大きな変化が見られています。当社の調査結果も踏まえてお伝えします。

ハルメク・エイジマーケティングでは、ハルメク読者に対して、「ヘルスケアの意識調査」を実施しました。

【調査概要】
調査の方法:webアンケート方式 調査の対象:50~85歳の女性
有効回答数:248名 調査実施日:2020年8月5日発信分
調査主体:(株)ハルメク・エイジマーケティング

目次

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コロナの影響による体調不良者は42%にものぼる!体調不良者は若い方ほど多い。

「新型コロナウイルスによる外出自粛中に起こった、体や心の不調はありますか?」の問いに対して、体や心の不調発生率は、実に42%。また、これを年代別に見てみると、若い方の方がより不調を訴える傾向が見えています。

仮説としては、普段若い方ほど外出頻度が高いので、自粛による外出急ストップが心身両面に影響していると考えられます。
また、体調不良に「はい」と答えた方の症状を見てみると、いわゆるコロナ太りや、身体のコリ、気分の沈み込みなどが主に挙げられています。

機微情報のため設問に明確な病名は入れていませんが、現時点でも頭痛や痺れ、動悸息切れなども見られており、コロナ禍によって、悪化すると今後まずいことになる時限爆弾を抱えているシニアが増えてしまっているという状況とも言えます。

病院に行く頻度は減少。その対策の実態は・・?

昨今来院者が減っているという報道がいくつかありましたが、本調査でも病院に行く頻度の減少が見られました。
「新型コロナウィルスの流行前後で、病院に行く頻度は変わりましたか?」という問いに対して、行かなくなったという割合は32%に上っています。

自由記述でも罹患リスクを避けようとするコメントが出ており、不要不急に該当しそうな症状では病院に行かないシニアが増えているということと推察できると思います。

では、生活者の対策は一体どうなっているのか?というと

自分でできるヘルスケアと言ったらまずは“運動”です。
事実、ハルメクのような総合通販では、自宅でできる運動器具の売上が非常に好調に推移しています。特に緊急事態宣言が出た4月以降の売上上昇が顕著です。一部の方は自宅でできる運動をしていることがわかります。
また、本調査ではサプリメント摂取でも幾分か動きが見えました。
「新型コロナウィルスの流行前後で、サプリメントの飲用に変化はありましたか?」の問いに対しては、合計8%の方がサプリに期待して購買行動をとっています。

サプリメントを販売している場合は、この間に集客した顧客が自社商品にどんな期待しているかなどを改めてチェックしてみると良いでしょう。
シニア層は総じて予防意識が高いです。敏感に心理をかぎ取って自社の商品販売や情報提供に何を出していくか、しっかり先回りをして対応をしてみてください。
若い世代が思っている以上に不安を抱えており、それが購買行動に明確に出ています。

シニアの医療・健康情報の取得元は、TVとネット(NHKが強い)

まだ、調査の話は続くのですが、シニアは普段医療・健康情報をどこから入手するかでいうと、TVが72%、ネットが60%となっており、ネットは新聞や雑誌などをおさえて上位に位置しています。


そして、テレビは何の番組かというと、ド定番のNHK「ガッテン!」であり、他もNHKが多数占めており、信頼の高さが伺えます。

続いて、ネットから情報を得る人の情報収集内容ですが、現在の症状から推測できる病気を検索する方が最多でした。身体の異常について、その症状を検索しており、ヒットするサイトの情報が患者のアクション内容を左右している可能性が高いことが伺えます。製薬会社サイドのマーケティングでは、症状別のコンテンツマーケティングなどがとても重要だと言えるでしょう。

オンライン診療は普及するのか?

続いて、オンライン診療はどうでしょう。オンライン診療の報道は増ており、実際にシニアの生活者はオンライン診療にはポジティブな結果でした。機会があれば利用したい人は半数以上を占めており、潜在ニーズの高さを感じます。

但し、特に利用したくないと答えた人は、その要因として、医師とのコミュニケーションを上げており、症状をうまく伝えられそうにないといった不安が見えています。
WEB調査のバイアスはありますが、操作が難しいことより、コミュニケーション不安のほうが大きいため、画面越しでも症状を的確に伝える方法や、器具などの整備で一層の浸透の可能性を秘めていると思います。

推測も含めてまとめると、コロナ禍によってシニアは病院に行く頻度が減りました。一部の方は自宅運動やサプリなど、自分でできるヘルスケアに取り組んでいますが、体調不良者は多い状況で、中長期で見たときに、多くのシニアの健康にマイナス影響が出てくる可能性があると思われます。
医療・ヘルスケア情報はネットで検索も多く、またオンライン診療の利用意向も高く、デジタル対応をどうシニアファーストにしていくかがポイントになりそうです。

また、情報出しのところでは、シニアの元々の予防意識の高さにしっかり訴えるマーケティングをする必要がありそうです。

コロナ禍は、単純に逆境ではなく、価値観の変化やDXの浸透を加速させている側面が多々あります。時代に置いて行かれないためにも積極的な変革が必要です。弊社が得た新鮮な知見は、以後も継続発信して参ります。
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この記事の監修者プロフィール

木船 信義

木船 信義

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