コロナ禍こそ見直したい!CRM施策で陥りやすいNGポイントと改善のコツ

新型コロナウィルス発生後、新聞や雑誌、そして商品チラシなどの閲読率が上がっていることはご存じでしょうか? 家に居ることも増えたし、何となくそうだろうなと思われる方も多いでしょう。実際、雑誌「ハルメク」の閲読調査によると読む頻度はなんと30pt.も上昇していました。紙媒体をじっくりと読む機会が増えている今だからこそ、企業のCRM観点では、商品の同梱物や会報誌を見直してみてはいかがでしょうか。既存のお客様とのつながりを大切にしていくチャンスです。

 顧客との関係性を強化する施策の一つとして、商品同梱チラシや会報誌、DMなどを定期的に発行している企業様は多いです。ところが、購入頻度や購入継続率が改善されず、効果が見えなくて悩んでいらっしゃる企業様からご相談を受けることがよくあります。
 私たちがコンサルティングに入らせていただく中で、失敗されているパターンはある程度類型化されます。今回は、CRM施策で陥りやすいNGポイントとその対策を化粧品通販A社さまの事例をもとにご紹介いたします。

目次

継続10回目まで施策をいれているのに効果がない!

A社さまは、定期販売がベースの単品通販です。当時の課題は、定期客の早期離脱が多いことでした。特に2回目、3回目での離脱が目立っていました。手紙や商品説明冊子、使用方法、その他独自の自社サービス、クロスセルのチラシなど、初回のお届けから10回目の継続まで“きちんとプログラムを組んで実行していた”のに、です。

実行しても、成果があがらない。その原因は、“伝える順番の間違い”と“実感誘導を意識できていない表現”、“伝え方(内容・デザイン)が適切ではない”の3つでした。

チェックポイント① 伝える情報の順番はあっているか?情報過多になっていないか?

コンサルティングでは、課題である2回目、3回目の離脱原因を探るため、継続回数別に離脱理由ウェイトを分析しました。初期離脱では「肌に合わない」「値段が高い」「余る」「効果を感じない」が多く、3回目以降は「余る」「効果を感じない」「値段が高い」の構成比が増えている結果に。

一般的な化粧品との解約構成比を比較したところ、「正しい量を正しく利用していない」ことが読み取れました。ですが、A社様では、クロスセルやコールセンターの案内、使用のレコーディングシートなど、多数の同封物がありました。そのため、肝心の購入商品の使用効果を最大化するための使い方説明がおろそかになっており、正しい使用方法の啓蒙ができていませんでした。

商品の到着時、使用から1~2週間経った時、2回目の商品が届いた時とそれぞれのタイミングで、顧客の心理や知りたいことは、少しずつ変化します。その時点に合わせたSTEP型コミュニケーションを組めず、とにかく情報を詰め込めば良いになっていたのです。

≪同梱物到着時のイメージ≫

チェックポイント② 実感誘導を意識した表現ができているか

化粧品や健康食品の多くは、単に使用方法をただ説明するだけでは、差別化につながりません。

そこで大切になるのが、商品の特性を刷り込むために、説明文に自社独自の内容を入れ込むことです。化粧品でいえば、「両手で温めてから頬にハンドプレスを5秒する、その後「の」の字を書くようにマッサージしながら、有効成分***が浸透することを感じてください」などの表現です。

結果として同じ内容を伝えていても、表現方法や行動にオリジナリティを加えることで商品USPが刷り込まれます。ぜひ、自社商品だからこその使い方やポイントを独自性のある表現で伝えてみてください。

チェックポイント③ 伝え方(内容・デザイン)は適切か

3つめは、伝わる表現方法(内容・デザイン)になっているかです。
弊社では、A社さまのCRMツールの一切の見直しを担当しましたが、その際に、顧客像をしっかり設定しました。ターゲットを「50代で美容情報に関心があり、仕事も家庭も両立。子供も手を離れ自分の時間を費やせる時間的、そして金銭的にも余裕がある人」と想定。老眼が進んでいる50代の方でも読みやすいよう文字を大きくし、説明を単純化、文字情報を少なくしイラストで直感的にわかるような工夫をいれていきました。
 このような、取り組みを1つ1つ重ねることで、閲読率があがり、結果的に継続率を大きく向上することができました。

また、シニアをターゲットにする場合、見え方にも注意が必要です。シニア世代は「黄色」が見えづらくなります。原因は目の中の水晶体が、黄色く濁ってしまい、脳が黄色に対して白く補正をするからです。そのためシニアの視界は、黄色のフィルタをかけたような状態になるといわれ、青と黒の視認性が悪くなるなどの配慮が必要です。ハルメクでは使用最低級数(本文の場合は15pt以上)を決めるほか、カタカナ言葉・はやり言葉をむやみに使わないなど一定のルールを設けてシニアにより伝わる誌面を作っています。こうした配慮1つ1つが読みやすさにつながり、ストレスがなくなることで顧客関係性向上につながっていきます。

皆さまもCRMの効果に悩んでいましたら、その施策の「実行」を目的にせず、ぜひこの3つのポイントをチェックして、施策で行うべきことは何かを振り返ってみてください。商品やサービスによっても大きく変わりますが、少しでもヒントになれば幸いです。
 また、CRMに取り組んでいるけれどLTVが伸び悩んでいるという事業者さまは、ぜひ一度弊社にご連絡を。効果的なCRM構築と制作をお手伝いいたします。

この記事の監修者プロフィール

木船 信義

木船 信義

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