どうしたらシニアマーケティングは成功する?ハルメクが考えるシニアビジネスの発想法

高齢化が急速なペースで進む日本において、シニアマーケットは成長を続けています。その規模はすでに100兆円を超え、毎年1兆円ずつ拡大中。そんな成長市場に参入し、シニア向けのマーケティングもしっかり行っているつもりでいても、想定していた成果を上げられず困っている企業が多く存在するようです。

シニアという世代は、他の世代とは異なる特徴を持っています。その本質を捉えないまま、やみくもにアプローチしても、成功を勝ち取ることはできません。シニアマーケティングを確実に成功させるには、シニアマーケットとシニアに対する理解を深めた上で、時代の変化に合わせたアプローチが必要になってきます。

そこで今回は、シニアマーケットの概況とシニアの本質について詳しく解説し、さらにシニアビジネスを成功に導くためのハルメクが考える発想法をご紹介します。


目次

シニア向けコンサルティングサービス

シニアとは

シニアの定義

シニアとは、英語では「年上の人、年長者、先輩、高齢者、老人」などの意味を表します。日本語でこの言葉を使う場合の明確な定義はありませんが、国際連合の世界保健機関(WHO)が“65歳以上”を「高齢者」と定義していることから、最近では65歳以上の人をシニアと呼ぶのが最も一般的です。

シニアの分類

シニアを年齢や年代で区分して、“65~74歳まで”を「前期高齢者」、“75歳以上”を「後期高齢者」とする考え方があります。また、身体的に健康で趣味や仕事などに意欲的な高齢者を「アクティブシニア」、なんらかの介護が必要な高齢者を「パッシブシニア」とするなど、年齢やライフスタイルを組み合わせた考え方も存在しますが、こういったくくりのみでハルメクはシニアをとらえてはいません。

ハルメクならではのシニアのとらえ方

ハルメクでは、これまでに蓄積してきた豊富なデータやインサイトを活用して、「クラスタ分析」という分析手法を用いて、価値観(家族やモノ、お金、情報取得、社会との関わり)や志向性や積極性でシニアをタイプ分けし、具体的なターゲット像を明確にしたうえで雑誌・商品・サービスの開発を行っています。

シニアを一括りにせず、狙うべきターゲット像を明確にし、それぞれのニーズや課題を浮き彫りにすることが、シニアマーケティングを成功させる鍵になると考えています。

シニアマーケットの概況と今後

団塊世代が「後期高齢者」にシフト

団塊世代とは、第一次ベビーブームの時期(1947~1949年)に生まれた世代のことを指します。日本の人口の最大ボリューム世代であり、総務省『令和2年国勢調査』によると、団塊の世代(調査時71〜73歳)は全国で596万人。この団塊世代が2025年には、「後期高齢者」(=75歳以上)のセグメントに移行します。

高齢者の割合は増加の一途

厚生労働省の人口予想では、団塊世代が全て75歳となる2025年には、75歳以上の人口が全人口の約18%に。また、第二次ベビーブームの時期(1971~1974年)に生まれた“団塊ジュニア世代”が65歳以上となる2040年には、65歳以上の人口が全人口の約35%になると推計されています。つまり、日本人の約3人に1人が高齢者になるということです。

高齢者の割合が増えることで、人口の大部分を占める人たちの活動量が減り、消費も活発に行わなくなるのではと懸念されています。健康面や財産面などにも変化が起こることが予想されていますが、ライフスタイルが変わって、新たなニーズが生まれる可能性も秘められています。


シニアマーケティングとは

高齢者をターゲットとしたマーケティング

シニアマーケティングとは、高齢者にターゲットを絞ったマーケティングのことです。日本全体の人口が減少し、多くの市場が縮小することが予測されている中、割合増加が確実な高齢者をターゲットにした市場は数少ない成長市場として注目されています。

そしてシニアマーケティングで成功を目指すには、従来の若年層をターゲットにしたマーケティングとは異なるシニアならではのポイントに着目し、マーケティング施策を考えることが重要になります。

シニア市場は既にレッドオーシャン

シニア市場にはすでに多くの企業が参入し、比較的レッドオーシャンになりつつあります。しかし、シニアの現状や本質を正しく掴めていない企業や企画も多いため、決してチャンスがないわけではありません。

シニアマーケティングの知見やノウハウを活用し、シニアの現状や本質を正しく理解・把握したマーケティング施策を実施できれば、シニア市場において成功できるチャンスはまだまだある
と言えます。

シニアといっても一括りでは語れない

シニア市場には、異なる属性や趣味・嗜好を持った人たちが多く存在しています。そのため、すべての高齢者をシニアとして一括りで考えることは不可能だと言えます。例えば、同じ70歳の女性でも、日々を趣味や旅行などで積極的に出歩きたいと考えている人や、自宅でのんびり過ごしたいと思っている人など、同じ年齢でもライフスタイルは人それぞれです。

新たにシニア市場に参入しようとする企業の中には、シニアのライフスタイルの多様性を把握できないまま、シニアを一括りの属性で捉えたマーケティング戦略を実践し失敗するケースが多くあるので注意が必要です。

資産があっても購買意欲はそれぞれ

シニアは保有資産が多く、ビジネスチャンスの見込みも大きいと言われていますが、保有資産が多いことと消費行動が活発であることは別の問題です。年金暮らしによる収入低迷や物価上昇などによって、節約・倹約の思考が進み、消費を縮小させているシニアも多く存在します。

シニアマーケティングを成功させるためには、健康に問題がなく行動的で、金銭的にも余裕があり購買意欲の高い層をターゲットにすることがポイントです。

シニアビジネスの攻略に必要な6つのこと

シニアマーケティングで成果を出し、ビジネスを成功させるためには、次の6つのポイントを重視する必要があります。

1)年齢層を広くしすぎない

シニアは、年齢層によって、ライフスタイルや興味関心が大きく異なると言われています。そのため、あまりに広い年齢層をターゲットにすると、誰に向けた商品であるのかコンセプトが曖昧になってしまい、結局誰の興味もひかない結果に陥る危険があります。シニアマーケティングの成功には、年齢層を絞り込み、その年齢層に合わせた商品やサービスを具体的に企画・提供することが必要です。

2)ペルソナを明確にする

ペルソナとは、サービスや商品の典型的なユーザー像のことです。架空の人物を想定し、年齢・性別・職業・趣味・ライフスタイルなど、具体的な人物像がイメージできるレベルまで細かく設定することを言います。シニアマーケティングにおいては、シニアのペルソナを明確にすることで、より深くシニアの心理まで理解することができ、ターゲットのニーズや要望に沿った商品やサービスを提供できるようになります。

3)お年寄り向けの表現を使わない

シニアと呼ばれる年代の人たちの中には、高齢者扱いされることに抵抗感を持ち、自分をシニアだと思っていない層が多く存在します。「お年寄りの方に」「高齢者向け」などの表現を選んでしまうと、ターゲットとしたい方たちに不快感を与えてしまう恐れがあります。

シニアの方たちを不快にせず、自分ごとに感じてもらえる表現を選ぶことが必要です。

4)消費行動に納得感を創り出す

若い頃よりも収入が減り、年金や貯蓄などで生活をしている場合も多いシニアは、消費に慎重になりがちです。さらに経験値が高く、目も肥えているため、シニアに何かを購入してもらうには、機能面だけではなく、「その後の生活がどう良くなるのか」というメリットを具体的に伝え、お金を出すべきであるとしっかりと納得してもらうことが大切です。

5)口コミやレビューなどを活用する

消費に慎重になりがちなシニアは、信頼できる情報源を求めて、口コミやレビューなどの第三者の意見にも重きを置く傾向にあります。マーケティングの手法として、口コミなどを積極的に活用し、前面に押し出すことで商品やサービスに対する信頼度や自分ごと化がアップします。

6)子ども世代にもアプローチする

シニア向け商品の中でも、高齢者見守りサービスや安否確認システムのような商品は、購買の意思決定者とサービス受益者が異なる場合があります。この場合、購買決定者である子ども世代が申込を行うケースが一般的ですが、機器は親の家庭に設置するため、親の許諾が必要になります。そのため、親と子の両方の気持ちに配慮したアプローチが必要になります。

シニアビジネスを成功に導いた3つの事例

実際にハルメクのソリューションをご活用いただき、シニアビジネスで成功を収めた企業様の事例を3つご紹介します。

1)ターゲットに合わせたチラシ作成で成功

終活系サービスを展開する企業が、新規見込み顧客の獲得を目的に、ハルメクの媒体にチラシを同封するプランを実施していたものの、期待していた反響が得られずにいました。そこで、チラシの内容を見直し、ターゲットであるシニアが読みやすい内容に変更することにしました。

具体的には、タイトルの文字サイズを大きくする、シニアが認識しやすい配色にする、シニアの共感を誘う内容にするなどです。新たに作成したチラシを同封した結果、大きな反響を得ることができました。


2)チラシ+無料サンプル同梱で成功

ある健康通販企業は、それまで封入広告や折込広告を出稿していましたが、目標とする売上を獲得できずにいました。その原因は、類似品が他社からも販売されていて、自社商品が他社の広告の中に埋もれてしまい、せっかくの魅力をターゲットに気付いてもらえていないことにありました。

そこで新たに、ハルメクのシニア女性向け通販雑誌「ことせ」の顧客に、購買商品とともにチラシと商品の無料サンプルを送ることができる「チラシ同封・商品同梱広告」を活用することにしました。その結果、ターゲット層に自社商品の魅力をアピールすることができ、反響は2倍以上に向上しました。

3)デジタルとアナログを併用して成功

ある自転車メーカーは、電動アシスト自転車の「乗りやすさ」「手軽さ」をPRする目的で、雑誌「ハルメク」とハルメクのオンライン版「ハルメク365」を連動した訴求プランを実施しました。

「ハルメク」本誌で広告掲載+資料請求はがきの送付を行い、「ハルメク365」にも雑誌と同内容の広告記事を掲載。さらに、広告記事ではハルメク読者を起用して、ターゲット層のリアルな声を反映することで、多くの人の興味関心を集めることに成功しました。

シニアマーケティングやビジネスを成功に導く、ハルメクのソリューション

ハルメクでは、徹底したマーケティングリサーチにより、20年間以上シニアに向かい合い培ってきたシニアの理解力を活かし、シニアに特化したマーケティングのトータルなソリューションでクライアントの課題を解決いたします。

ハルメクのソリューションを活用することで、「シニアマーケティングで成功できるのか」「自社が狙うターゲット層を確実に狙うことができるのか」などの疑問をお持ちでしたら、ぜひハルメクの資料をご確認ください。ご相談もお待ちしております。

リーチの獲得とクロージングの成功率アップには ⇒ 「ハルメクグループ広告出稿」

シニアマーケティングを実践していても、

「なかなかリーチが獲得できない」
「売上に結びつかない」


などにお悩みの企業様は、「ハルメクグループ広告出稿・共同商品開発」をご検討ください。ハルメクの雑誌や通販の知見を活かしたご提案をいたします。
ハルメク本誌以外にも、世代やターゲットに合わせてそ、リーチ可能なその他の媒体もご提案いたします。


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ターゲットの検証と分析には ⇒ 「シニア領域特化型コンサルティング」

シニアマーケティングを実施する際、

「ターゲット層の検証や分析まで踏み込んだ調査を行いたい」
「商品開発やサービスに活かしたい」


とお考えの企業様には、ハルメクの「シニア特化型コンサルティング」をご提案いたします。

ハルメクが独自に保有する4000人以上のシニア女性モニター(通称:ハルトモ)を活用し、課題に合わせた最適な手法で調査を実施。シニア特化シンクタンク「生きかた上手研究所」と連携して課題を解決いたします。


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ターゲットとの関係性構築や継続率改善には ⇒ 「オウンドメディア制作・運用支援サービス」

シニアマーケティングに会報誌などのオウンドメディアによる情報発信を活用したいが、

「制作運用するノウハウやリソースが社内にない」
「コンテンツの成果検証までしたい」


などとお考えの企業様にぴったりなのが、ハルメクの「オウンドメディア制作・運用支援サービス」。

ハルメクの強みであるシニア層の心を動かすコンテンツ制作を核に、オフライン×デジタル統合型オウンドメディアの企画運営を支援。顧客満足度や継続率にこだわり、施策結果をトータルで分析して、改善や売上アップをサポートいたします。

 


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この記事の監修者プロフィール

シニアマーケティングLAB事務局

シニアマーケティングLAB事務局

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