紙媒体とは?紙媒体だからこそできることを活かすには

シニアマーケティングを実施するうえで、「この商材ではWEBと紙媒体、どちらを選ぶのが適切なのだろう」と考えたことはありませんか?
どちらもシニア顧客獲得のために有効な手段ですが、片方だけを実施するのではなく、WEB・紙媒体どちらも併用したマーケティング戦略を用いれば、より効果的にシニアマーケットを攻略することが可能です。

今回は、WEB・紙媒体を併用したマーケティング術を実現するために知っておくべき紙媒体だからこそのメリットをご紹介します。

目次

紙媒体とは?紙媒体の種類とその特性について

紙媒体とは、情報などを印刷した紙、「印刷物」のことです。WEB媒体が主流になりつつある今でも、印刷された情報の信頼性を重視するシニア層は多いと言われています。

紙媒体を大きく分けると以下の3つになります。

 ①チラシ

 ②ダイレクトメール(DM)

 ③新聞/雑誌

①チラシ

チラシとは、主に一枚刷り(1枚の紙に印刷されたもの)された広告のこと。不特定多数にアプローチする、いわゆるプッシュ型広告。大勢の人に宣伝したい、情報を届けたいケースで利用されることが多い。


折込チラシ・・・新聞などに折り込まれる

→高齢者における新聞購読者は多く、チラシを手にとって見るため、ターゲット層にリーチしやすい。


ポスティング・・・ ポストに投函される

→エリアを特定して配布できるため、宣伝したいモノやサービスを対象地域に集中して宣伝できる。


手配り・テイクワン・・・ 店内に設置したり店頭や駅前などで配布したりする

→手渡すことで、あるいは自ら手にとってもらうことでチラシを見てもらえる可能性が高い。

②DM(ダイレクトメール)

ダイレクトメール、通称「DM」は、ターゲットとなる個人・企業等に直接届ける印刷物。チラシが不特定多数を対象としているのに対して、DMは個人に向けてアプローチするので、顧客や見込み顧客のニーズに合わせた宣伝ができる。

③新聞/雑誌

新聞や雑誌の購読者が自然と目にする広告ページまたは広告欄。大手新聞や人気のある雑誌などは読者からの信頼が高いため、掲載されている広告も信頼されやすいメリットがある。雑誌の購買層がターゲット層とマッチしていれば、宣伝効果は高い。

見直されている「紙媒体」7つのメリット


昨今はデジタルシフトが進んだことにより、紙媒体の独自のメリットや特性が見直されることが多くなっています。以下では見直されてきている紙媒体のメリットを7つ紹介します。

【メリット1】:紙媒体ならではの表現を行うことができる

1つ目のメリットとして紙媒体は、ユーザーへの訴求内容で独自の表現や他社との差別化を行うことが可能です。
例えば、次のような表現があります。

● 印刷する用紙に工夫をこらす(ホログラムペーパーや和紙など)。
● 特殊印刷(「箔押し」「エンボス印刷」)
● 試供品をセットにした「サンプル付広告」

上記のような表現は、WEBでは実施できない表現です。
五感に訴えることで、高級感を高め、情緒的な影響を与えるなどイメージの訴求方法に選択肢が広がるというメリットになります。

【メリット2】:顧客の注意を引きやすく離脱されることが少ない

紙媒体は、注意を引きやすく、離脱されにくいというメリットがあります。
情報が溢れかえっている現在、特にWEBコンテンツは、多くの場合、ざっと流し読みされてしまう傾向があります。
その点、雑誌などの紙媒体の場合は、一覧性が高く、手元に置けるため、注意を引きやすく、じっくり読んでもらえる可能性が高くなります。

また、WEBサイトの場合はリンクや検索で簡単に別のページへ遷移できてしまうので、自社のコンテンツから離脱してしまうことが多いという事情もあります。

【メリット3】:保存性が高く繰り返し見てもらいやすい

紙媒体は、保存性が高く、顧客に繰り返し見てもらいやすいというメリットがあります。
例えば、WEBで見た広告ページを再度訪れたり、ネットショップで一度商品を購入した後、再度そのショップに訪れて何度も商品を見たりといったケースは、あまり多くはないでしょう。
その点、通販カタログや雑誌などの紙媒体の場合は、商品を購入した後も手元に残るため、繰り返し手に取ってもらえる可能性が高いです。

【メリット4】:知名度に左右されずに興味深く読んでもらえる


WEBに掲載されている情報よりも、紙媒体である雑誌・DMなどのほうが、情報に対する心理的な信頼性が高いというメリットがあります。こうした特徴は、ブランドの認知・知名度がそれほど高くない場合にも有効です。
媒体そのものがもつ信頼性もありますし、閲覧者が会員であれば媒体にファン化している可能性もあるため、ロイヤルティが高い層であることが想定できるというのも一因です。
似通ったコンテンツがあふれるWEBと異なり、オリジナルのコンテンツであるという点も、読みすすめてもらえるポイントです。

【メリット5】:商品と訴求がマッチすれば十分効果が出る

商品と訴求がマッチすれば、紙媒体はWeb媒体以上にマーケティング効果や売り上げUPの効果が見込めるメリットがあります。
媒体によっては、ニッチな層にリーチできる媒体もあるため、ターゲットを絞り、打ち出す商品・訴求内容をマッチさせることで、出稿効果に大きく差を出すことができるようになります。

広いターゲットに浅く訴求を行うのではなく、詳細なターゲティングをもとに狭く深く訴求を行うことが成功の秘訣です。
まずは、商品と訴求内容に合う媒体は何であるのかを見極めることがシニアマーケティング成功のために重要です。

【メリット6】:「ネット疲れ」「SNS疲れ」の要因となっている情報の「圧」がない

昨今はシニアにおいてもデジタルシフトによるインターネットの利用が増えたことで、ユーザーの「ネット疲れ」「SNS疲れ」といった声が聞こえるようになってきています。特にインターネットの利用が苦手な傾向があるシニアにとって、インターネットから膨大な情報の取捨選択を行うことは大きなストレスです。
紙媒体にはこのような情報の「圧」がなく、シニアにとって多すぎず、少なすぎず「ちょうどいい」情報量を提供できるのがメリットです。
このようなメリットからデジタルシフトによって情報の「圧」にストレスを感じているユーザーに対し、紙媒体は有効なアプローチとなります。

【メリット7】:シニアにとって、紙媒体はWEBより情報が伝わりやすい

最後のメリットとして、若い頃から紙媒体に慣れているシニア世代にはWEBより紙媒体の方がより情報が伝わりやすいことがあげられます。情報の伝達速度や理解度は年齢や媒体の性質よりも媒体に対する「慣れ」が影響として大きくあることが考えられ、若い頃から書籍や雑誌、新聞などの紙媒体に慣れ親しんだシニア世代にとってWEBより紙媒体の方が有効なアプローチとなります。

このような紙媒体のメリットを効果的に発揮し、シニア向けのコンテンツを展開しているのがハルメクです。

紙媒体のデメリット

次に紙媒体のデメリットについて触れます。紙媒体を上手に活用するためにはメリットと共にデメリットも把握しておきましょう。

【デメリット1】:修正や更新が難しい

紙媒体は「紙に印刷したもの」ですから、後から修正することは基本的にできません。チラシのような印刷物を配布する前であれば、誤植や金額の間違えなどをシール等で修正する方法もありますが、新聞や雑誌の広告欄に出稿したものは印刷した後では修正は難しく、別途「訂正・お知らせ」等で周知するしかありません。WEB媒体はテキストやデータを差し替えるだけなので修正や更新も簡単です。

【デメリット2】:情報量に限りがある

チラシにしろDMにしろ、広告宣伝できる範囲(紙面のサイズや記事の大きさ)や文字数には限りがあります。WEB媒体では、極端なことを言えば、1つのコンテンツに1万文字でも2万文字でも、30枚でも50枚でも写真を掲載することは可能です。

しかし、限りある情報だからこそ、密度の濃い内容でターゲット層に届きやすいとも言えます。

【デメリット3】:リーチする範囲に限りがある

印刷物は1万部なら、最大で1万人にしか情報は届きません。手配りのチラシなら「配った分だけ」ですし、新聞折込チラシなら新聞の購読者のみにしかリーチできません。また紙媒体は、WEB媒体やSNSのような情報拡散力に欠ける点がネックです。

リーチする範囲に限りがあるのは、逆に言えば紙媒体のメリットとして挙げた「ターゲットを絞り、ニッチな層にリーチすることで出稿効果を上げることができる」とも言えます。

メリットとデメリットは表裏一体のことも多くあります。紙媒体のデメリットを認識した上で、メリットへと転換する戦略をたてることがポイントになります。

紙媒体は今後どうなるか?紙媒体だからできることとは?

紙媒体は時代遅れなのか

「紙媒体はオワコン」と言われています。実際に新聞の発行数は減少していますし、雑誌の休刊も目立ちます。今では多くの人がスマホで簡単に知りたい情報を得て、欲しいものがあれば検索して探しています。シニア層においてもスマホの普及率は高いですし、今の40代50代はデジタルリテラシーの高い高齢者になるでしょうから、さらに紙媒体の発行量は減少していくだろうと推察できます。

とはいえフリーペーパーはコンビニや駅にもあふれていますし、書籍の発行数は減っていても、電子書籍ではなく印刷された本を好む人は大勢います。減少はしても、紙媒体が今すぐ完全に消えることはないというのが現状です。「なぜ紙媒体は消滅しないのか」は次で解説します。

それでも紙媒体が消滅しない理由とは

紙媒体はオワコンと言われながらも、早々に消滅はしないとされる理由は3つあります。

・紙媒体への信頼性
・体験を伴うギミックの有用性
・紙媒体としての有用性は損なわれない

「インターネット上の情報は信頼できない」と考えている人も少なくありません。
最近は生成AIによって、まるで本物のような広告やニュースが次々と作成され問題になっています。巧妙に作成されたフェイクニュースや詐欺メールが流布し、情報の信憑性を見極めるのは年々難しくなっています。

特にモノを購入する、サービスを契約するといったシーンでは、信頼できる情報を求める傾向が強く、新聞や普段から購読している雑誌、電話などによる問い合わせができる通販雑誌などは、特にシニア層から幅広い支持を得ています。

また、紙媒体は手にとる、触れる、開くといった体験を伴うギミックが実現できます。スマホの小さな画面をずっと見ているのはつらいけれど、ソファでぱらぱらと雑誌をめくりながら「なんとなく見ている、読んでいる」人は少なからずいます。リラックスして眺める、ページをめくる行為に親しんでいる高齢者層は特に多く、シニアの健康寿命も上昇していることを考慮すると、紙媒体がそう簡単に世の中から消滅することはないでしょう。

さらにWEB媒体は、サードパーティのCookie制限などデータプライバシー規制によって広告配信が今後は難しくなる側面もあるため、紙媒体としての有用性は損なわれないと考えられます。こうした要因から、シニア層との接点として紙媒体が早々に消滅することはないと言えるでしょう。

ハイブリッド型への移行

ここ最近では、紙媒体を見たシニアがQRコード経由のLPで注文をするハイブリッド型の購入アクションが増えています。信頼できる紙媒体でモノやサービスをチェックし、気になるものがあればQRコードで直接、該当するLPにたどりつき、ポチッとするだけで簡単に購入できるため、訴求と購入アクションがスムーズに結びつきます。

またデジタルリテラシーが高いシニア層が増加する中で、紙とデジタルの使い分けを意識的に行う傾向もより高くなるでしょう。

紙媒体とWEB媒体の特性をかけ合わせたハイブリッド型は今後さらに広がりをみせるものと考えられます。WEB媒体のみ、紙媒体のみに限らず、ターゲット層にマッチする独自のハイブリッド型を検討することも、購買層の拡大につながります。

紙媒体による接触における購買の有用性

消費者に広告や宣伝を届ける——接触させる媒体は、紙媒体やWEB媒体のほか、テレビやラジオ、電車の中吊り広告や街中のポスターなどもあります。

接触回数が多ければ多いほど親しみを感じ、好感度が高まるザイオンス効果はマーケティングでも活用されています。

代表的なのがテレビCMです。たとえば何度も流れる洗剤のCMを見ていると無意識のうちにその商品が刷り込まれ、なんとなく「よく知っている」ように感じます。スーパーの棚に並んだ洗剤を見て、(この洗剤があれか)と手に取ることもあるでしょう。


接触の回数が多いという面では、紙媒体ならではのメリットがあります。WEBサイトも繰り返し簡単に見られますが、そこまでデジタルリテラシーが高くない高齢者にとっては、「数日前に検索した洗剤が安かったサイト」にもう一度たどりつくのが難しいケースがよくあります。履歴を見ても、どのサイトだったのかがわからず、イライラして諦めてしまうことは珍しくありません。また更新も早いために、1週間前と表示の違うサイトの画面を見て、実際には同じ商品が掲載されているにも関わらず、「なんだ、もう変わっている」と早々に離脱するというのも少なくない現象です。

その点、通販雑誌のような紙媒体はふたたび手にとってページをめくるだけで、該当する商品に行き当たります。よく見る通販雑誌に同封されているチラシやパンフレットを「ああ、これこれ」と手にして、家族に「これ良さそうじゃない?」と話しやすいメリットもあります。デメリットである「更新されない」ことが、メリットに逆転するわけです。

しかもこうした紙媒体は特に見るつもりはなくても、テーブルやソファの上に置いてあり、ふとした瞬間にパラパラとめくる、その都度「接触」が増え、購買のアクションにつながります。

「ことせ」アナログ・コミュニケーション

「ことせ」は60代以上のハイシニア・アクティブ女性に特化した通販カタログです。ことせの読者は、70代でも活動的で自立した方が多く、経済的な余裕もあり、積極的にシニアライフをエンジョイしている女性であり、興味や関心のあるモノに対する購買意欲が高い特徴があります。

「ことせ」には、“御用聞きコンシェルジュ”という顧客担当制度があります。ことせの顧客とは、電話でお話をしたり、個別のニーズに合ったカスタマイズカタログを送付したり、あるいはお誕生日に手作りのお手紙をお届けしています。また顧客の側から、手芸の作品や農作物をわざわざ送ってきてくださることもよくあり、友人/家族レベルでのコミュニケーションを構築しています。

御用聞きコンシェルジュは、ザイオンス効果をもたらし、購買意欲は高い健康的なシニア女性からの信頼を得ています。その「ことせ」に同封されるチラシや同梱される試供品やカタログは、「ことせ」同様に信頼されるため、購買の有用性が高くなります。

経済的な余裕のあるアクティブなシニア女性層に直接リーチすることができる「ことせ」のマーケティングをぜひご活用ください。

この記事の監修者プロフィール

シニアマーケティングLAB事務局

シニアマーケティングLAB事務局

ハルメク独自の調査でわかったシニアの動向やトレンド・実践的なノウハウなど、シニアマーケティングに役立つ最新の情報をご紹介。オンライン・オフラインでの集客のお悩みやCRMの課題など、シニアのことならお任せください!

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