“2022年のシニアマーケット“を総ざらい! 2022-2023シニアトレンドを発表

ハルメク 生きかた上手研究所では、2022-2023年のシニアトレンドを発表いたしました。コロナ禍によって続いた行動制限も緩和され、シニア世代の生活にも明るい変化のあった2022年。シニア世代はどういったモノに関心があるのか、どういった価値観を重視するのか、これからどのように過ごしたいと考えているのか。2022年以降も続くことが予想されるトレンドおよび、2023年のトレンドの芽をキーワードにまとめました。

目次

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【2022-2023年シニアトレンド】
デジタル、食、おしゃれ、サステナブル…意外なシニアの一面も?

 

Z世代や現役世代とは異なり、シニア世代のトレンドは「息が長い」「年単位では変わりにくい」という特徴があります。シニアは、「終活」や「グレイヘア」など世代特有の課題や変化に応じた流行をじっくり昇華していきます。また、社会で起きている現象を、時間をかけて派生させたり、変異させたりしています。このような世代の特徴を踏まえ、時事性と世代らしさを重視し、2022-2023年のシニアトレンドを厳選しました。

1.「スマ活シニア」

 

シニアのスマホ利用率が9割を超え、スマホ保有は当たり前になりました。コロナ禍を経て、動画撮影、SNS、スマホ決済、ポイ活など、デジタルを賢く楽しく使いこなすシニアが急増中。具体的には、Instagramで草花や風景を眺めたり、ランチ写真を投稿したりしています。また、YouTubeも頻繁に視聴しています。今後はスマートウォッチやオーディオブックなどの音声サービスの利用が拡大の兆し。

 

参考:
これからのシニア向け広告宣伝はデジタル施策が必須に。まずはおさえておきたい、シニアのLINE活用の戦略手法を以下よりチェック!


2.「推し活で若返り」


 

実は50歳以上でも大いに盛り上がっている「推し活」。推しがいるシニア女性は35.2%。推しに使う平均金額は年間9万円。推しの対象は身近な孫やペットから、スポーツ選手、ミュージシャンなど広い範囲になってきました。「新しい夢ができた」「動画サイトを見るようになった」など、トキメキが行動や生活を変え、心身にポジティブな効用をもたらしているようです。「もう年だから」とつい何事も諦めがちなシニア世代の幸せにつながるきっかけとして、2023年も広がりを見せていくことでしょう。

3.「とっくにSDGs」

現役世代では注目・関心が高まっているSDGs。SDGs目標が掲げられる前から、「食材を使い切る」「必要な分だけ買う」「無駄遣いしない」などモノを大切に使う丁寧な暮らしをずっと続けてきたシニア世代。SDGsをとっくに習慣づけていました。今年はSDGsが目指す持続可能な社会と、地球を次代につなげたいというシニアの想いがリンクしてきた一年でした。シニア世代は、これからも賢いSDGs生活をけん引するオピニオンリーダーになるであろうと予測しています。

4.「コンパクト終活」


 

「終活はまだまだ先のこと」「やらなければいけないとわかっているけど、先に進まない」など、終活を先延ばしにしがちなシニア世代。今年は、先延ばしにしがちな終活をミニマム化する工夫をしました。例えば、エンディングノートにまとめる生前整理を「シートに書くだけ」にしたり、いつから施設に入るかをただ決めるだけ、など今やるべきことを前向きに絞ったらラクに取り組むことができ、身のまわりも気持ちもスッキリ。また、コロナ禍で家族葬や一日葬が増加しています。葬式準備を「身内だけ」にしたら、地域の伝統や形式などしがらみからも解放されることに。

5.「AGE(アゲ)メイク」


 

まだマスクは取れませんが、「華やかにメイクしておしゃれしたい」というシニア女性のお出かけマインドが高まっていることを実感した一年でした。ハルメク通販でもコスメ領域は絶好調で、特にポイントメイクが好調です。「眉毛や目元をメイクすると気持ちもシャキッとする」。気持ちを上げるきっかけとして、年齢に合ったポイントメイクで華やぎたいというマインドが今後さらに高まることでしょう。

6.「素材まるごとおやつ」


 

シニアの間では以前から素材を活かし、加齢で不足しがちなカルシウムや食物繊維をおいしく手軽に摂れるおやつブームが続いています。2022年は、現役世代にしらすをまるごと使ったせんべいや、まるごとしいたけチップスなど素材をそのまま活かしたおやつが人気でした。その追い風もあり、ハルメクグループの「ことせ」通販では、例年以上に売れ、カルシウム系おやつ全体で前年比3倍に。これからも新しい食スタイルやおやつトレンドをシニア世代が発信していくでしょう。

【専門家の見解】
ウェルエイジング(Well-aging)な社会に向けた2022-2023のトレンド

生きかた上手研究所所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)

 

「また誕生日が来ちゃった」「バースデーのお祝いを素直に喜べない」。
シニアの負の感情の主原因は「健康・美容」と「デジタル社会」。健康・美容の衰えは、加齢によりおきる課題です。誰もが平等に訪れますが個人差があります。また、急速なデジタル社会の変化に追いつけないことが不安やコンプレックスにつながっています。

 

「歳を重ねるごとに意欲的」「祝われることが嬉しい」となるためには、どうすればよいのでしょうか。
一つは、歳を重ねたからこそ得る「宝」に気づくこと。たとえば、知識・経験、時間、人脈、お金といったことです。決して平坦ではなかったに違いない長い道のりを乗り越えて手に入れた心の広さや優しさもあるかもしれません。実は失ったものより得たものの方が多いのではないでしょうか。生活の知恵として賢く丁寧に続けてきた『とっくにSDGs』が実は地球や次世代を守ることに気づきました。このように発揮されずに眠っていた能力が、デジタルを味方に付けることで活かせるとわかってきました。自分が社会で活かせることに気づいた喜びははかり知れません。賢いデジタル活用によって開眼する『スマ活シニア』が増えたら市場も社会もさらに活気づいていくでしょう。

 

一つは、未来を想像してワクワク・スッキリすること。VUCA(ブーカ)時代で、先行きが不透明な社会なので中々未来に希望を持つことが難しいです。次世代の未来も自分の未来(余生)も前向きに捉えるにはきっかけが必要です。『AGE(アゲ)メイク』をして美しくおしゃれな自分、『推し活で若返る』自分、『素材まるごとおやつ』を食べて一生歩ける自分を想像したら、ワクワクしました。億劫だった生前整理も死後の準備も『コンパクト終活』をしたら、しがらみから解放されてスッキリ。ワクワク・スッキリした未来をイメージできるモノやコトがこれからもシニアを幸せにしていくことでしょう。

 

「歳を重ねるのも悪くない」「スマートにワクワクと人生を重ねたい」と思えるウェルエイジング(Well-aging)な社会をこれからも見つめていきます。

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シニアトレンドで一年間のトレンドを振り返ったように、ハルメク 生きかた上手研究所では様々なリサーチを行っています。トレンドの「とっくにSDGs」にも反映されたように、シニアのSDGsへの意識は現役世代よりも高いため、SDGsを絡めたキャンペーン施策などはシニアの反響があるかもしれません。

ハルメク 生きかた上手研究所は、SDGsに関する意識実態調査をレポートにまとめました。
ぜひ、シニア世代のインサイトをリサーチ結果よりのぞいてみてください。

この記事の監修者プロフィール

生きかた上手研究所

生きかた上手研究所

ハルメク生きかた上手研究所は、雑誌「ハルメク」の全月刊誌販売部数No.1達成(※)を支えた社内シンクタンクです。「ハルメク」から生まれた4,500人を超えるハルメクモニター(通称:ハルトモ)とのつながりを起点に、コンテンツ・商品・サービスの開発につなげています。

※日本ABC協会発行社レポート2023年1月~6月

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